BOOK Studio947
狩野祐東・狩野さやか著書

書店においてもらうためのポップを作成してツィート/Facebookしたらわたしの書き込みにしてはそこそこいいねしてもらえたので、調子に乗ってbehind the sceneも書いちゃうことにしました。名付けて「ポップができるまで」。

 わたくし、「作りながら学ぶjQueryデザインの教科書」で執筆10冊目ですが、書店用のポップを作るのが今回が初めて。初めてのことというのはなんでもそうですが、簡単そうに見えるものでも意外とわからないことが多いですねえ。というわけでまず偵察。高田馬場芳林堂書店に行き、ポップとはどういうものか、どんなことが書かれているか、どういうやつが目立つか、などを観察。写真は撮りませんが記憶して帰ってきました。

 ここはコンピュータ書も充実していますがポップはほとんどない。出版社が作った印刷ものが1、2点。というわけでおもに3階の一般書で、著者が作ったと思しきものを中心に偵察。いやあ。いろいろです。面白いのとか面白くないのとか。社会学者の古市憲寿のはすごいなあ。色紙に描かれたピエロ。なんでピエロなの? しかも、色紙なのでポップとしては巨大。目立ちます。

 さらに印象的だったのは、真ん中にマヨネーズの……あれはチューブっていっていいのかな?……が描かれたポップ。ポップは印象的だったのだが書名も著者も忘れたが、調味料のことを書いた本のポップでした。でもこのポップは目立つし、そのマヨの周りに書かれた字も思わず読んでしまう。なるほど。こういうのがいい感じなのね。

 ……ということを頭に仕込んでから作業開始。まず、最終的な仕上がりのイメージ図を描きました。

下書き1

 マヨネーズが印象的だったので、真ん中にどーんと大きく字を書いてしまおうと。それと、紙は全体を塗りつぶすか縁取りしているほうが目を引くようだったので、まあこんな感じでいいかな(いまから思えば後ろにひとまわり大きな色紙を貼るという手もある気がする)。

 その2。「本屋のポップは意外とどの本のポップなのかわかりにくい」という話を人から聞いていたので、それに対処する工夫を。真ん中の大きな字は表紙の書体と同じ(フリ)をしたほうがいいんじゃないかと考えて、極太マジックペンでペン先が斜めに切っているやつを使って、カリグラフィをしたことはありませんがそんな要領で字を書く練習。色付きでもいいんじゃないかと思って緑色で試してみたところ、横棒と縦棒が透けてしまうので却下。黒にしました。

字の練習

 その3。どのくらいのテキスト量がいいのかなど配置と、色合いのイメージをつけるために、再び下書き。

pic3

 あまりやりすぎて勢いがなくなっても面白くないので、適当なところで本番へ。紙にマジックペン(周囲は蛍光ペン)で書いたあと、本の表紙をスキャンしたものと、カエルを別に印刷して、切って両面テープで貼ります。ちなみにカエルと紙の間には小さく切った薄い発泡スチロールを挟んでいるので、プチ立体的に見える! どうだ! こういうのは手作り感が過積載なほうがいいねえ。

 こんなようなのがコンピュータ書籍に強い都内大型書店のいくつかに、本屋さんが並べてくれれば、並ぶはずです。来週のどこかで、編集氏に同行して持参します。

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